クリーニングの利用について

お店を正しく上手に使おう
そのためにまずは、クリーニング店を知ることから。
お店には大きく分けて2つの種類があることをご存じですか?
自家洗いのお店
受付から仕上げまで全てを行うお店。昔からの家族経営に多く、「クリーニング師」という国家資格を持った人が必ずいます

取次店(とりつぎてん)
お店では衣服の受け渡しや引き渡しのみを行い、クリーニングの処理は別の場所で行うお店。主にチェーン店に多いです。

  • 新業態のクリーニングサービスにご注意ください!
営業時間に制限のある店舗型とは違い、自分のライフスタイルに合わせてサービスを利用できる事業者と非対面型の『ネット宅配型クリーニング』など、様々なクリーニングサービスが出てきています。
ご利用の際は、評判や万が一のトラブル対応などを確認し、上手に使い分けましょう。

クリーニング店を使いこなすコツ
お店選びから万が一のトラブルまで、大切な衣類を守るためのポイントです。
  • クリーニングは、仕上げ・シミ抜きなど、お店により技術や特徴が全く異なります。まずは信頼できるお店選びから始めましょう。
  • お店見極めの大きなポイントは、①カウンターで洗濯物の処理方法等についてきちんと説明がある。②万が一のトラブルに備えて連絡先がしっかりしている。の二点です。注目してみましょう。
  • クリーニングに出す前に、ポケットのある衣類は必ず中を確認しましょう。
  • トラブルを未然に防ぐためにも、シミの有無、種類、ボタン、破れの有無、その場所をカウンターで伝えましょう。
  • 品物を受け取る際、仕上がりの確認をお店側と一緒に行いましょう。
  • 品物は、お店に出してから90日以内に受け取りましょう。そして万が一、受け取り後に不審な点があった場合には、6ヶ月以内にお店に相談しましょう。
    クリーニング事故賠償基準により定められています。)
クリーニングの種類
クリーニング店では、品物に合わせて適切な洗浄方法を選択しますが、その洗濯方法は大きく4つに分けられます。
  • ドライクリーニング
    スーツやコート、ジャケット、ネクタイなど、水洗いできない品物に対して行う洗濯方法。家庭で洗濯をするときの『水』の代わりに、揮発性有機溶剤(主に石油系溶剤)を使用して汚れを取り除きます。長所は、油性汚れに強く、型くずれや収縮が起きにくいこと。また、風合いが変りにくいという点があります。
  • ランドリー
    家庭洗濯と同じように『水』を使いますが、大きく違うのは『温水』を使うこと。ワイシャツやシーツなど、水に対して耐久性のある素材の品物を、専用の大型ドラム式洗濯機で、温水に専用洗剤や助剤(アルカリ剤)などを加えて洗います。
  • ウェットクリーニング
    ドライクリーニングしかできない品物を水を使って洗浄する方法です。ドライクリーニングでは、汗などの水溶性の汚れやシミは落ちないため、このような場合にウェットクリーニングが必要になります。本来水洗いできないものを処理するため、高度な技術を要します。
  • 特殊クリーニング
    通常のドライクリーニングやランドリー、ウェットクリーニングでは洗うことのできない品物(毛皮製品、皮革製品、和服やカーペットなど)を対象に行っている洗濯方法です。
クリーニング店からのアドバイス
  • 衣類の汚れは、除菌消臭剤では落ちません。そのまま汚れを放置しておくとカビ・シミ・変色・虫食いなどの原因になります。定期的にお洗濯をしましょう。
  • 衣替えの時期、シーズン後の衣類をクリーニングに出しましょう。通称『仕舞い(しまい)洗い』をすることで、次シーズンの「着ようと思ったら…困った!」の防止につながります。
  • クリーニングの仕上げポリ袋は保存用ではありません。シミ・カビの原因になるため、家庭では外して保管しましょう。
  • 家庭用の洗濯機のドライコースでは、ドライ専用洗剤を用いても「水」を使うため、本来の「水を使わない」=ドライクリーニングとは異なります。形崩れや色落ちの心配がある衣類はクリーニング店に出しましょう。
  • クリーニング店は着用した衣類をきれいにするのがお仕事ですが、基本的に衣類は、着用や時間経過その他様々な影響で自然と劣化するため、新品に戻すことはできません。日ごろから大切に扱うようにしましょう。
  • クリーニング店では、衣類をきれいにする以外に寸法直しやリペア、撥水(はっすい)加工や防炎加工、染色などを行っている店舗もあります。大切なもの一度ご相談ください。
    ネクタイなど事前にガード(防汚)加工をかけておくと便利です。
表示ラベルのお話

衣類や繊維製品に付いている表示ラベル。
国内で販売されている製品については、これまで日本独自の取扱い絵表示が用いられていましたが、平成26年10月20日、国際規格(ISO表示)に整合した新JISが制定されました。
平成27年3月31日付け消費者庁発表資料:消費者庁家庭用品品質表示法に基づく繊維製品品質表示規定の改正について

平成28年8月4日付け経済産業省ホームページ掲載:新JIS取扱い表示に関する新たな消費者向けの解説

購入するときはデザイン性や着心地が重視されますが、お気に入りの衣服を気持ちよく長く楽しむためにも、取扱いに関する情報をチェックしてみましょう。

家庭でできるシミ応急処置法
「あっ!」思わず大事な衣類につけてしまったシミ。あなたはそのときどうしますか?
代表的なシミについて実践しやすい処置法をご紹介します。
(衣類の素材や染色状態などシミにもさまざま種類があります。シミ抜きを家庭で行う場合は、くれぐれも自己責任の上で行って下さい。無理は禁物です。)
  • しょう油のシミ
    水溶性のシミのため、ついてすぐなら水で落とせる場合が多いです。水で濡らした布を固く絞ったもので上から叩きましょう。
  • 着物についたシミ
    ポイントは『こすらない』こと。シルク製品はこすると光沢がなくなります。下にきれいなタオルを置き、上から叩いて汚れを下へ移しましょう。

水で洗えないものや大切な衣類は、家庭で処置をせずクリーニング店にご相談することをオススメします。その際に、『どのような汚れか』・『つけたのはいつか』など、しっかりと伝えましょう。

品物は、お店に出してから90日以内に受け取りましょう。